データの暗号化と国家権力による符号処理

中国の金盾の話題を見たからだろうか。(このような記事を書いただけで中国からアクセスできなくなるかもしれないらしいが)

重要なデータを転送する場合、データそのものを暗号化したり、暗号化された通信でデータを送受信したりすることが(一部では)常識になっているが、ここに国家権力が割り込みをかけている、と最近思う。

本来ネットワークに国境なんて関係あるべきではないと思うけれど、現実的に中国には金盾が存在するし、日本ですら一部通信記録は保管されている。

暗号化された通信自体をカットされてしまえば、重要なデータは漏れないかもしれないが本来の目的を達成できない。

さも暗号化されていないように見えるデータに暗号をまぎれさせ、合間を縫うことは出来るかもしれないがその仕組みを知られた時点で、対抗策が講じられるだろう。結局はねずみごっこだ。

ところで、物理的なメディアでデータを受け渡す場合はどうだろうか。

現在のところ、暗号化されたデータを物理メディアに記録してもって行くことも出来る。
ところが、こんな記事を読んだ。
真相は定かではないが、アメリカにPCを持ち込む際に暗号化されたデータの符号化を求められる用になるかもしれないという記事だ。だいぶ古い記事で1年前にかかれたものだが、今のところ実施されているという話は聞かない。
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200805161507

こうなってくると相当厳しい。
ネットワーク経由の通信のように、入国Stopされてしまっては目的が達成できない。

さて、どうやってデータを(安全に)受け渡せばいいのか。
安易に思いつくところでは
☆衛星でも打ち上げて自前で通信網を確保
カネがかかるがデータの送受信する経路をすべて自前で行えば、検閲は受けない。
☆密輸
そもそも違法じゃないか・・・?
☆検査官に賄賂
映画の見すぎ?

さて、次世代の暗号化といえば量子暗号だが・・・。
結局はデータ転送を遮断されない技術では無いので法的に禁止されたりすればそこでアウト。
おまけに、量子暗号通信は途中経路でチェックされた時点で内容がパーになってしまう特性がある。
民間での国際通信で量子暗号通信が可能になるのは技術的な理由より政治的な理由で遠い未来になりそうだと私は思っている。

さて、そうなるといよいよ手詰まり。
残っている記憶媒体といえば・・・人間の記憶力なんていうものが残っているが、どうなんだろうか。記憶は美化されるし、そもそも忘れる。

本人でないと理解できないパスワードをかけたデータも、国境で止められ符号化を求められる。
秘密情報と開示要求の戦いはまだまだ続きそうだ。

現実的には データがそこにあることに気づかれない仕組みが一番手っ取り早そうだ。